“わが子がもしも同性愛者だったら…” 子どもたちの苦悩と葛藤を知ろう

東京都渋谷区を発端に、同性パートナーシップ条例の採用が、全国の自治体で検討されています。徐々に認知されてきたLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスセクシャル)。でも、わが子がもしも同性愛者だったら……みなさんは考えたことがありますか?
オープンリー・ゲイの歌人 鈴掛真さんに語って頂きました。

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こんにちは、歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。
なにを隠そう、僕は正真正銘の同性愛者! 仕事でもプライベートでも、家族にも友人にも、ゲイだということを隠さずに生活しています。

LGBTなどのセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)は、人口の7.6%であるといわれています。学校のクラスや職場の30人の中に2人のLGBTがいてもおかしくないのです。(電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2015」より)

もしかしたらみなさんのお子さんも、人知れず悩んでいるかもしれません。

もしも子どもが同性愛に悩んでいたとしたら、どんなことを考えているのか。
オープンリー・ゲイの鈴掛真が自身の体験をもとにお話しします。

そのとき、子どもは何を思うか

  • そのとき、子どもは何を思うか
僕が自身のセクシュアリティを意識したのは、幼稚園児の頃。

とても察しの良い子どもだったのか、「同性愛」「セクシュアリティ」なんていう難しい言葉を知らないうちから、自分が他の男の子と違うことを自覚していました。
そして、それが誰にも言ってはいけないことなんだと思い、15歳の頃に初めて友人に打ち明けるまで、誰にも話すことなく、一人で悩みながら秘密を守っていました。

「悩んでるなら、誰かに相談すればいいのに……」
そう思うかもしれませんが、自覚をしても、まず自分自身でそれを受け入れることができないのです。自分が他の人と違うということを受け入れるのは、とても勇気のいることでした。

誰かに相談してしまえば、自分が同性愛者であることが事実になってしまいます。
“いつかは女の子を好きになれるかもしれない。”
“このまま大人になれば、いつか女の人と結婚できるかもしれない。”
その期待がある限り、誰にも打ち明けることができません。

同性愛者の幼少期は、『自分が何者であるか』を探求するために、自分自身と向き合い続ける日々なのです。

家族にできることとは

  • 家族にできることとは
「でも、相談してくれなきゃ、気づくこともできないし、守ってあげることもできない…!」
子どもを心配するお父さん、お母さんは、そう考えてしまうかもしれませんね。

しかし、過度な心配は禁物。親の心配が強ければ強いほど、子どもはそれを敏感に察知して、心を開くのを拒んで離れて行ってしまいます。

そして、絶対にやってはいけないのが、自分の観念を押し付けること!
“同性愛よりも、異性と結婚した方が幸せになれるのに……”
“私があの子を同性愛者に産んでしまったばっかりに……”
一見、子どものことを思っているようで、これらは本人の尊厳を否定する考え方です。
自分の子どもとはいえ、相手は自分とは違う一人の人間。どんな形であれ、本人の選んだ道を受け入れてあげることが大切です。


とはいえ、僕も長い間、母親との関係にほころびが生まれた時期がありました。
16歳になる頃、家族で母親にだけ打ち明けたことがあったのです。その頃はまだ自分の中での整理もできず、とにかく受け入れてほしい一心で決行してしまった、とても荒々しいカミングアウトでした。結局、冷静に話し合うことができず、気持ちをぶつけ合うだけに終わってしまいました。

それから、僕が家族に恋愛の話をすることはなくなり、気づけば10年が経ってしまった頃、短歌の作家としてデビューするにあたって、やっと自分の中での整理がつき、もう一度向き合って話し合うことができたのです。今では母親ともすっかり仲良しになりました。
 
 
では、家族はどうしたらいいのか……。
その答えは、とてもかんたんなこと。
『あたたかい家庭をつくること』ではないでしょうか。


僕は、夫婦喧嘩をしたところを一度も見たことがない、とても優しい両親に育てられました。兄と姉は、付き合った恋人を気軽に実家に連れて来ていて、みんなでいっしょに食事をしたことが何度もあります。
そんな、なんでもオープンに話せるあたたかな家庭が待ってくれていたからこそ、「自分の心の整理ができたら、いつかまた家族に話してみよう」と思うことができたのです。

これは何も、同性愛に限ったことではありません。
いじめ、将来のこと、体の成長、性体験……どんな悩みごとでも、子どもが親に相談できるかは、日頃のコミュニケーションと、相談しやすい環境づくりに左右されます。
それが整っていて初めて、子どもは家族に悩みを打ち明ける準備に入ります。

そして家族は、子どもの心の整理ができるまで、じっと待っていてあげてください。


『あなたがどんな人間でも、あなたはあなた』
そんな心持ちでいられれば、きっと子どもは心を開いてくれると思います。
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  • 鈴掛真

    鈴掛 真(すずかけ しん)歌人
    愛知県春日井市出身。東京都在住。
    著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。
    雑誌『東京グラフィティ』で連載中。
    Twitter・ブログでも短歌を随時発表中。

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