フランスワインについて

ブドウの栽培をしたいと思ったときに読んでほしい記事

フランスワインを知る上で、外せないのはブドウです。

ワインの原料となる唯一の果実ですが、このブドウは基本的にはワイン用ブドウが使用されており、その栽培は大変難しいとされています。
ここでは、ハードルが高い”ブドウ栽培”について解説していきます。

悲報…ブドウの栽培難易度はかなり高め

ブドウが原料なら、ワインを自分でも造れるのではないか?
ワイン好きなら誰もが一度は思ったことがあるでしょう。
しかし、ワイン用ブドウを栽培するためには、かなりの手間と労力がかかります。

尋常じゃないレベルで手間がかかる

まず、ブドウを育てるためにはブドウの苗を購入するところから始まります。
ブドウの苗は一般的な苗業者で購入することができるので、資金は必要ですが、それ以外は特に問題はありません。
しかし、ブドウを栽培するための土地探しが必要です。

ワイン用ブドウは一般的な作物と違い、土壌が痩せており水はけが良い場所、さらに夏暑く夜涼しいような盆地が適しており、日本国内にはほとんどそういった場所が無く大変です。
もちろん、ブドウ栽培には剪定や摘心、摘葉、化学薬品を使うか使わないか考えて農薬、収穫などとにかく暇がありません。

1年中、何かしらの作業が必要となります。
その中で品質の良いブドウを栽培し、収穫するとなればさらに大変。
素人が、“やってみるか”といって手を出せるようなものではないのです。

食べられるようになるまで2~3年くらいかかる

「ブドウ栽培が困難である」と言われる一端にはすぐにブドウが収穫できない、という部分があります。
実は、ブドウを苗の状態で植えてから2〜3年経たないと実をつけず、それまでは徹底した管理のもとでブドウを守り続けなければいけないのです。

もちろん、実が収穫できるようになったからといって、美味しいブドウとは限りません。
ブドウは、古樹の方が良質な実ができると言われており、世界には数百年レベルの古樹も存在しています。
1年目では、結実し過ぎて良い品質のブドウではないため、結果的にワイン用となるのは5年目前後が妥当かもしれません。

成木になると40~50平方メートルの広さが必要

フランスなど、どんなに小さなドメーヌであっても広大な土地を有しています。
要するに、ブドウは蔓植物のひとつなので、一本でかなりの広さの土地が必要になります。
フランスでは、基本的に垣根仕立てという方法で栽培されており、数十から数百のブドウ樹をキレイに整えます。

結局、成木するためには40~50平方メートルの広さが必要となるため、広大な土地を手に入れない限りワインを用ブドウを造れないのです。

種なしにするならジベレリン処理も必要になる

ブドウの中には、種無しブドウというものがあります。
「ワイン用は厳しいから、種無しの美味しいブドウを造って販売しよう」と思う方も多いようです。

しかし、生食用ブドウはカタチを美しくし、生で食べられるためより健全なアプローチで栽培しなければならず手がかかります。

また、種なしにする場合ジベレリン処理も必要になってきます。
ブドウを種無しにし粒を大きくする薬なのですが、ブドウの房すべてひとつひとつ手作業で行う必要があるので注意が必要です。

仮に、1000房できた場合、1000回同じ作業をしっかりと続ける必要がありますし、その作業の間にもブドウが健全な状態を保ために気を使わなければなりません。
“種が邪魔”という消費者のニーズに応えるために、どんどんブドウ農家の作業量が増えてしまっている、という状況に陥っているのです。

栽培する際のポイント

ここからは、ブドウ栽培を行う時のポイントについて紹介しましょう。

病気と害虫について

ブドウがワインに使用されている理由は、果物の中で最も糖度が高いからです。
そのため、一定のアルコール度数のあるお酒が安定的に造ることができます。
しかし、問題はその甘さやさまざまな成分は、病害虫たちにとっても美味しい餌となるということ。

ブドウはかなり繊細な果物なので、葉や蔦、さらには樹も病気にかかりやすく、それを防御するのがブドウ栽培家の使命とも言えるのです。
ベト病にはじまり、ウドンコ病、灰色かび病、萎縮病、黒とう病など、まだまだ多くの病害が起こる可能性があります。

また、フィロキセラなどの病害虫は、ブドウ樹を破壊するため、せっかく頑張って育ててきたブドウ畑が全滅することもあります。
近年、有機栽培がトレンドですが、本来は適切な化学薬品を適切なタイミングで撒くなど、こまめなケアが必要になってくるのです。

栽培環境

栽培環境は特にブドウにとって大切です。
ワイン用ブドウでよく言われる栽培環境は、テロワールと言ってもいいかもしれません。
日当りや平均温度、さらに土壌組成など、さまざまな要因が重要になります。

生食用であれば、土壌は比較的肥沃で問題ありませんが、ワイン用ブドウであれば乾燥した日照りが多い状況の土地が必要です。
作りたいブドウにあった栽培環境を整えておくのがコツですね。

肥料

ブドウには肥料が必要ですが、中にはそのままで栽培する農家もいます。
ただし、ブドウ害虫や病害を防ぐため、チッ素N‐リン酸P‐カリK=8‐8‐8などの化学肥料をはじめ、天然活力剤スーパーバイネ、また有機肥料などが必要です。
ボルドー液などは、ベド病を防ぐためほとんどのブドウ農家で採用されています。

水やり

ブドウ、特にワイン用ブドウはあまり水を多くあげると、果実中の栄養分があまり高まらず、薄味のブドウができてしまいます。

基本的に、庭でブドウを栽培する場合はほとんど水やりは不要であり、雨などで補給するので問題ありません。
逆に水をやり過ぎてしまうと根腐れを起こしたり、トラブルに発展するので注意してください。

育てる際に必要な主な作業

前述のとおり、ブドウを栽培する場合には、さまざまな作業が必要になります。

植え付け、植え替え

植え付け、植え替えはブドウ栽培を始める時の最初の作業となります。

・植え付け…苗業者で購入してきた苗を畑に植える作業
・植え替え…既に何かが植えられているものを、新たなブドウ苗に変化させる作業

適当に植えるのではなく、環境や間隔、仕立て方を考慮して植えるようにしましょう。

剪定

冬場や夏場は、ブドウの剪定が必ず必要になってきます。
冬に行われる剪定は、その年の収穫量をコントロールするために行います。

仮にこの剪定を放置すると、どんどんブドウの実が結実してしまい、味わいの薄い低質なブドウが生まれてしまいます。
春から夏の剪定は、ブドウの実を落としたり、除葉などブドウが生育しやすい状況を作ったり、栽培されている環境を整えます。

花房の整形

ブドウ栽培には、花房の整形が必要です。
花房が春頃になるとどんどん成長していくと、良い品質のブドウが収穫できないため、先部分を数センチほど残し、花房の整形を行います。
この時、蔦やヒゲなども取ってしまうと良いでしょう。

【まとめ】ブドウは一般家庭で作れる果物ではない

ブドウの栽培は、ここでお伝えしてきた以上にかなりの手間がかかります。
そもそも垣根仕立てや棚仕立てなど、長年の技術が必要な仕立てからスタートしなければいけませんし、有機栽培となるとしっかりとした土壌や植物の知識を蓄えておかなければなりません。

ブドウは、一般家庭で手軽に作れる果実ではない。
これだけは、覚えておきましょう。